令和元年5月12日(日)天候にも恵まれ、わが町づくりフェアにたくさんの地域の方にご来場いただきました。
今回も、認知症当事者やその家族への理解によって地域で安心して暮らし続けるための住みよい町づくりを考えることをテーマに開催いたしました。
認知症の専門医の立場から みはるの杜診療所 院長 石原哲郎先生に『認知症とともによりよく生きるための「診断」と「かかわり」について』というお題でご講演いただきました。お話を伺って認知症の方であってもその『人』としてみる。その人の『声を聞く』ことの大事さ、できないことを聞くのではなくやりたいことに注目し、認知症の方と一緒にやっていくことの大事さを教えていただきました。これからの町づくりにおいては大事な部分を教えていただけたと思っております。
認知症当事者やその家族への理解を深めるために認知症当事者の本音トークとして仙台市の櫻川后燕さん、観音寺市在住の渡邊康平さんにご登壇いただき、認知症当事者として認知症と診断を受けてからの事、また現在の生活、活動、思いについてなど語っていただきました。
櫻川后燕さんはご自身が認知症であることを通っていた整体師さんに伝えた時のエピソードとご自身の思いについてお話して下さいました。「途端に態度が変わるんです。今まで丁寧に見ながらやっていたのに(認知症であることを伝えると)あっち向いて、(他の人に)命令しながら。そんなに認知症の人って罪悪な人ですか?犯人扱いみたいにされて。認知症に好きでなるわけではないんです。認知症の人がいたらニコニコね、笑ってさえくれればいいんです。意見いりませんから。ニコニコの笑顔と美味しい食べ物があればそれだけで認知症は進まないような気が本人はします。」とおっしゃっていました。
渡邊康平さんは西香川病院内のオレンジカフェで認知症の方を支えている家族さんとの関わる中での思いを語って下さいました。「『もう、うちの爺ちゃんは何を言うてもまともに聞かんし、もう何をするかもわからん』という家族さんの話を聞くんですが、『爺ちゃん、なんちゃせんと呆けてしもとる』と言われたら(認知症のご本人は)非常につらいんですよ。婆ちゃんには、『自分が認知症になった時にそう言われたらあなたどう思いますか?本人は非常に縮こまっているっていう風な家庭の中でおったら、薬を飲んででもなかなか良くなりませんよ。家族で一緒になって、認知症になった人を元気づけていくようなそんな言葉とか態度をとってもらったら患者(認知症のご本人)さんはホッとしますよ。』と話をするんです。」「(認知症の)当事者そのものが元気になってもらうようなことを考えていったら、本人も家族がみんなでこんなに言ってくれて非常にありがたいなって気持ちになったころから(認知症の)当事者は変わっていっております。家族が変わり、それから当事者も変わるっていうのも、相当な数になってきました。」「(認知症当事者が)自分自身はこういうことができない、なんぼやってもできないなと、こういうことが病気の特徴なんで、それはもうできなくても、出来ることで元気にやっていこうとそういう風に気持ちの中の切り替えができたときに認知症の当事者はほんともう胸を張って色んなことができるようになってくるんです。」とおっしゃっていました。
認知症になったら人生終わりではなく、認知症のご本人さんがご本人さんらしく生きることができるんだということをお二人を姿を見て感じることができたのではないでしょうか。また、認知症のご本人さんがご本人さんらしく生きるためには、ご本人を支える家族の方など、周りの方の認知症への正しい理解の大切さ、認知症の方と関わるときの態度、表情、言葉掛けの重要性、大切さを実際の経験談を聞かせてもらうことで学ばせてさせていただきました。
貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
今後も地域の皆様と共に「誰もが安心して暮らし続けられるわが町づくり」を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
今回の町づくりフェアにご参加、ご協力して頂いた皆様本当にありがとうございました。